都市ガスは、気体の燃料の一種。 日本ではガス事業法上の「一般ガス事業」を行う一般企業もしくは自治体の地方公営企業(一般ガス事業者)およびこの企業が供給する、気体の燃料のこと。単にガスと呼ぶことも多い。 いわゆる「ライフライン」を構成するものの一つ。電力会社と同様、独占的な営業地区内にガス管を張り巡らせており、ビルや工場、住宅などにガス管が引き込まれ、給湯、調理、暖房、冷房、発電、蒸気などの燃料に幅広く利用される。変わったところでは、胃潰瘍検査薬やダイヤモンドの製造にも使われている。 日本では大部分の市区町村で株式会社形態での営業を行うが、仙台市ガス局に見られるように、一部の都市では地方公営企業の形態を取る例も少なからず存在する。 古くはガス灯として照明用として用いられ、これが都市ガスの利用の端緒であるが、電灯の普及によって減少した。現在は都市景観や店舗エクステリアのアイテムとして用いられている。 都市ガスの料金は電気などと同様、国の許認可料金で、公共料金の一つとされている。 大手の場合、東京ガスの供給エリアは3,100km?、1000万件、ガス導管の総延長は48,000km、大阪ガスの供給エリアだと、3,220km?、680万世帯、ガス導管総延長は56,500kmにも及ぶ。そのため、災害が発生すると社会への影響が大きく(配管の損傷(物理的な損傷以外にも、雨水や泥水のガス管への浸入もある)やこれによるガス漏れの危険性があり、配電線と異なりほとんどすべてが地中に埋め込まれていることから、地震に強い反面、被害を受けたときの復旧には時間を要する)、特に阪神・淡路大震災の場合、約86万世帯への供給が停止されるなど影響が及び、その教訓から、地震時の防災システムの整備が課題とされている。2007年の新潟中越沖地震では全面復旧まで要した日数は42日であった。このため病院や福祉施設ではLPガスを都市ガスに変換(熱量調整)する装置を設置することを決定し全国のガス事業者から装置の調達を急ピッチで進められている※1。また新潟県LPガス協会では避難施設へボンベや炊き出しする装置やシャワー用のガスを無償で提供することを決定した。 |